ひめ日記3

日詰千栄の日々を綴ります。芝居のこと、祇園囃子のこと、京都のこと。

2009-02-01から1ヶ月間の記事一覧

白洲次郎

NHKドラマ『白州次郎』、いいねぇ。渋いねぇ。 大正~昭和にかけて、日本人でケンブリッジ大学に留学してた人がいたんやねぇ。 アメリカ帰りの正子さんと出会うシーン、会話がずっと英語やった。 その英語が、次郎はちょっと日本語っぽいイギリス英語で 正子…

最初は嬉しかったけど、今はいい迷惑です。

芝居から足を洗う人は、これまでたくさん見てきた。 この世界で 「私、才能ありますか?」と聞く人は 「芝居の才能というものはない。続ける能力が才能だ。」 と答えられたものだ。 ただ、続ける才能と共に、辞める才能もあると思う。 特に長く続けた人の場…

清め塩

浄土真宗は、「お清めの塩」を使わない。 故人は「お浄土の仏さまになった」ため、 死は穢れ(けがれ)と考えないそうだ。 神社には別の考え方がある。 「けがれ」=「気枯れ」にも通じ、 身内が亡くなったことによって気が弱くなっている状態を言うそうだ。…

同行50人

平成女清音会の新人発表会。 こじんまりした稽古場に、初めて揃いの紫浴衣を着た新人ちゃんが 肩を寄せ合っている。 「そ~れ」で始めた囃子は、まだおぼつかなくて弱弱しい。 入会して4か月、譜を覚えるだけで手いっぱいな様子だ。 鄙びた(ひなびた)町で…

最前線のおくりびと

『おくりびと』が米アカデミー賞 外国語映画賞を受賞して、 納棺師というお仕事が、注目されているようだ。 棺は、意外と小さい。 170cm以上の身長がある人は、膝を曲げたりして 工夫しなければならないそうだ。 斎場の炉のサイズに合わせてあるからだって。…

京の大仏さん

『京都で見つけた物語』を観に、京都文化芸術会館へ。 京都の昔話を語る、朗読劇だ。 とは言え日舞あり、わらべ唄あり、フォーメーションありと目にも楽しい。 出演者は一般公募で集まった、少々お高めの年齢層だが、 小野小町役の人はそれなりに美人に、 お…

床下のほら吹き男

MONO『床下のほら吹き男』を観に、ABCホールへ。 京都で上演している頃は、看病真っ最中だった。 もうとっくに終わっているかと思っていたら、 大阪公演があって奇跡かと思った。 お芝居、とても面白かった。 ほら男が、お姉さんの悪口を吹き込むのがたまら…

仏壇センター

京都には仏壇屋さんがいっぱいある。 よく通りかかる”仏壇センター” これまで(一生に何回用事あるんやろ)と思っていたが、 今日、踏み込んでみた。 まぁ、たくさん種類のあること! 仏壇とは、”小さいお寺”なのだそうだ。 本当は朝夕お寺に参るのが理想だ…

ジャックはビルを見つめて座ってる

今日は平成女鉾清音会の稽古の日。 神さんに捧げる神楽を 忌中の私は奏でていいものか。 その前に、囃す気力があるのか。 など迷って、稽古には出席しなかった。 でも、平成女鉾の囃子がどんな風に聞こえるか この機会に遠くから聴いてみよう と、建物の外か…

カラマーゾフの兄弟

『カラマーゾフの兄弟』を読む。 ご存知、ドストエフスキーの名作だ。 私はこれを一度読破したことがある。 電車通学を利用して、何ヶ月もかけて読み終えた。 だが内容をほとんど覚えていない。 覚えているのは 「徳の高い神父さんが死後、遺体が腐乱して町…

色即是空

人は死んだら、『無』になるのではなくて、『空』になるんですよ。 と、知合いに教えられた。 大企業を去年定年退職した、ダンディなおじさまだ。 『色即是空 空即是色』と言うでしょう? すべての物質は、つきつめれば素粒子やクオークと呼ばれる集合体にな…

カルシウム不足?

今日は煮干から出汁を取って、味噌汁を作った。 煮干を鍋に入れる時点で、カリカリの何匹かを口に放り込み、 煮出しながらアツアツの何匹かをつまみ、 引き上げた後のフヤケた何匹かも食べた。 煮干でとった出汁は、途中のつまみ食いのおかげで ちょっと煮干…

人生の計画

妹には急遽、予定を早めて来日してもらったのだ。 病院に駆けつけた妹は、父に 「今回は3週間いるからな」と言ったらしい。 父は、少し考えた後 「・・・持たん」と首を振ったらしい。 ”元気で3週間を過ごし、妹を送り出すのは無理” という意味だったのだろ…

ニッポンの美徳

妹夫妻は普段、NYに住んでいる。 今回、日本のお葬式を体験して、 義弟は「チップを払わなくてもいいんだよなぁ」とつぶやいていた。 アメリカでは、サービスに対して、いちいちチップを払う習慣があるものね。 葬儀屋さんは皆さん良くしてくれたけど、心付…

チョコの日

今日はチョコの日だったんだな。 義理チョコ、家チョコ、myチョコと 色んなネーミングのチョコレートが出回っているようだが、 喪中の私には関係ない。 積極的な活動をする気にもなれない。 完全に実家に閉じこもっていた。 不意に、「逆チョコ」という言葉…

マイナスの~

お葬式で、全員写真を撮らなかった事について 家族で話していた。 妹「結婚式ならともかく、皆が暗い表情の写真は残さなくて良かったよ」 母「そうやな。マイナスイオンがたちこめてるわ」 妹「せやせや。マイナスの・・・て、 マイナスイオンはええねんで」…

サギの正体

狂言師の茂山あきらさんとお会いする。 去年の平等院音舞台に出演されていたので ずっと気になっていた青サギの件を尋ねる。 「あれは演出やない。本物や。」 と伺って、改めて嬉しくなる。 下で色とりどり照らされて歌っているのが、 魚に見えたんでしょう…

天使の写真

実家から帰ると、父の訃報を知った友人から、手紙もろもろが届いていた。 皆さんの気持ちをありがたく受け取り、 部屋の一角に、父を弔うコーナーを作った。 ある日、天使の写真が添えられていた。 京都を訪れた妹の仕業だ。 違和感ないからそのまま置いてる…

ダブルクリームエクレア

グルメのAちゃんが、情けをかけてくれた。 「食いしん坊の私が甘いものをあげるって、相当の事やで」 と言いながら、駐輪場でエクレアをくれた。 「これはファミリーマートのダブルクリームエクレアと言うてな、 紳助が番組で『おいしい』って言うてから、一…

魔法の箱

義弟の持っているiBookは、魔法の箱だ。 音楽が山盛り入っている。 レシピを見て、おでんやイカの炒め物を作れる。 私達姉妹の似顔絵も書いてくれる。 映像も見れる。 『未来少年コナン』第一回と 黒澤明の『椿三十郎』と 『水曜ど~でしょう』10周年スペシ…

大きな古時計

大きなのっぽの古時計ならぬ 小さな薄い父の腕時計は、確かに止まったのだ。 父の存命中、ふと見ると父の腕でストップしていたのだ。 勤続30年、会社から送られた記念の時計。 (電池が切れたのかもしれない)と、母が外した。 その後の父は お医者さんが「…

継続への想い

実際入院中は、看病する側にも この日々がずっと続くような 祈りにも似た想いがあった。 母は父が亡くなる当日に パジャマを2枚も買ってきたし、 私も父の時計を直そうと時計屋を探していた。 人間はいざという時、よく分からない行動をしますね。 そんなこ…

音楽療法

母と妹夫妻で、父が最期にお世話になった病院へ挨拶に行く。 ちょうど毎週金曜日の音楽会が開かれているタイミングだった。 歌の先生が、「ふるさと」に合わせて ♪うさぎ追いし かの山~♪ など、手話を交えた歌を教えていた。 私達若者3人(?!)が加わると、活…

お骨上げ

母は当初、「斎場へは行かない」と言っていたが、気が変わったらしい。 葬儀屋さんが車の中で 「一番送ってほしい人に最期を看取られなかったら寂しいでしょ。」 と説得してくださったようだ。 お医者さんにしても、看護師さんにしても、お坊さんも、葬儀屋…

告別式

父の告別式。 父の知人がたくさん来てくださった。 色んな人に、父の逸話を聞きたい気分だ。 不便な場所に関わらず、私の知人も来てくれた。 色んな友達を父に紹介できた。 「友達、いっぱいおるな」と、 きっと安心してくれたと思う。 告別式の挨拶を、喪主…

通夜

父の通夜。 あまり回りには知らせないつもりでいたが、 色んな友達からお悔やみのメールや弔電が届く。 音信普通の友達や行方不明だった知合いも駆けつけてくれた。 すごい緊急ネットワークが働いたようだ。 思いがけない顔ぶれに、涙があふれる。 皆さんの…

友引

2月2日は友引なので、お葬式はしない。 お父さんは家でゆっくりしています。 お坊さんが戒名を考えてくれた。 一文字は、父の名前から「榮」と言う字を取るが、 もう一文字は父の性格や生き様から取るらしい。 「スポーツ万能で、ひょうきんで、まっすぐな人…

ムコ殿

義弟がNYより来日。 父の最期には間に合わなかったが、 本当に助かった。 ふ抜けになった女系家族を尻目に 台所に立って てきぱき働いてくれた。 温かいお鍋なんて、何週間ぶりに食べただろう。 持つべきものは、ムコ殿やねぇ。