ひめ日記3

日詰千栄の日々を綴ります。芝居のこと、祇園囃子のこと、京都のこと。

お骨上げ

母は当初、「斎場へは行かない」と言っていたが、気が変わったらしい。
葬儀屋さんが車の中で
「一番送ってほしい人に最期を看取られなかったら寂しいでしょ。」
と説得してくださったようだ。

お医者さんにしても、看護師さんにしても、お坊さんも、葬儀屋さんも
商売を超えた心遣いをしてくださる。
世の中、まだまだ捨てたものじゃないと思う。

お骨上げで、斎場の係員さんが驚いていた。
「こんなに骨が残っている人は、いまどき珍しいです」と
解剖学の講義が始まった。
ギャラリーは、「へぇ~」「ほぉ~」と興味深く聞いている。
妹は引いていたけど、私は父が誉められて誇らしかったよ。