ひめ日記3

日詰千栄の日々を綴ります。芝居のこと、祇園囃子のこと、京都のこと。

2005-07-01から1ヶ月間の記事一覧

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神さんの形

お囃子を奉納した後、禰宜さんとお話をした。「何でも聞いてください」とおっしゃったので、メンバーの一人が「神様ってどんな姿をしているんですか?」と聞いた。「それは答えられません」と、即座に断られた。どうやら神社の人達も見たことがないらしい。…

奉納囃子

京都、八坂神社にて、奉納囃子。まずご祈祷を受ける。宮司さんの祝詞に「平成女鉾清音会」や「日詰千栄」の言葉が交じっていて、面映い。舞殿は風が通り抜けて、爽やか。でも暑くて、演奏中みんな汗だくになった。笛方は、汗と鼻水とでぐぢゃぐぢゃな顔にな…

伝統芸能分野授賞

全国税理士共栄会文化財団より、平成女鉾清音会が伝統芸能分野の助成金を頂いた。祇園囃子の伝承と創造に対する助成として、50萬円。京都税理士協同組合の総会に、目録をもらいに行った。私達が伝統の継承者として認められて嬉しい。伝統の継承とは、ただ古…

奉納最終稽古

奉納囃子前の、最後の稽古。当日は、色んな方が観に来られると思います。これはチャンスです。チャンスはピンチです。(ザワザワ「ピンチちゃうで」ザワザワ)ピンチをチャンスに変えるには、私達のチームワークを発揮する事。息を合わせること。掛け声も、…

芸妓、その道

宴席で、芸妓さんとお話しする。「芸の道は厳しおすなぁ」芸妓さんも、太鼓や笛や鉦を演奏するらしい。宴会に呼ばれて演奏する事もあるけど「皆さんお酒が入って、聞いてもらえへん時は、悲しおす」と言っておられた。「えぇっ、芸妓さんでもそんなことある…

祇園祭オタク

どこにでも、「名物おじさん」みたいな人はいるようで稽古後、記者さん達と話していたら「知ってる~!」な謎の人物で盛り上がった。一人は、赤いサンドレスの女(男かも?)祇園祭の色んな行事で見かける。『報道』の腕章もないのに、一番いい位置で写真を…

浴衣 de 稽古

お祭の最後とは、御霊遷しという行事。神妙な雰囲気の中、神さんの魂が神殿に帰るのを目撃した。さぁて次は、うちらの番だ。平成女鉾清音会のお囃子で、神さんにほっこりしてもらうのだ。今日は正装の浴衣を来てプレス向けに公開練習をした。最近、稽古中、…

還幸祭

7月24日は、17日同様、祇園祭にとって大切な日。八坂神社から渡って来たお神輿が、帰るのだ。その前に花傘巡行もある。今日はそれらを追っかけて、氏子地域を東奔西走した。途中で丹波町から来た八坂太鼓も聴いた。丹波町には八坂神社の神田があるそうだ。丹…

六甲の病院

叔母の見舞いに、六甲へ。母の話だと、随分良くないそうだが、「千栄ちゃん来てくれたの?お父さんの具合はどう?」と、自分より人の事を心配してくれる。「叔母ちゃん尼さんみたい。顔も小さくなって、美人ね」と言うと「尼さんみたいやろ?」と笑っていた…

漕げよマイケル

平成女鉾清音会の見学にマイケルさんが来た。祇園祭の研究をしているアメリカ人だ。2年ほど前に、通り掛かりに私達の演奏を耳にし、引き寄せられるようにやって来たのが出会いだった。今回、来日した調査のテーマは『観光客』だそうだ。「祇園祭に来たのは…

祇園祭展

京都文化博物館へ「祇園祭展」を観に行く。博物館のコンパニオンが案内してくれた。『祇園祭』の展示は、鉾の模型や写真の陳列で、本物を見るほうがずっと豪華だった。だが常設の『京都の歴史』コーナーは、非常に興味深かった。疫病が流行り、盗賊が横行し…

渡米

妹が、飛行機の便を間違えたらしい。「帰れなかった」と、しょんぼり電話してきた。実家にいる時は「日本の方が住みよいわ~!」なんて言ってても彼女の家はやっぱりアメリカなんや。と、気落ちしている様子を見て実感したのでした。ま、そうじゃなくても落…

はちのへ忠臣蔵

青森の友達が地元のコミュニティ誌を送ってくれた中を開くと、突っ込みどころ満載。思わず赤ペンを取ってチェックしてしまった。まずタイトルが『はちのへ忠臣蔵well』→赤穂藩は兵庫県のはず。なぜに青森で?!1ページ目には『和食 三十三間堂』の記事。→三十…

サザエさん

NYから妹夫妻が来日した。ちょうど、田舎からあわびとさざえを送ってきたので、実家でご飯。あわびは刺身に。サザエは壷焼きに。調理をするのは義弟。義弟はアメリカでアーティストビザを持っているのだ。そのクリエイティブな腕前を、今日は料理に生かして…

山鉾巡行

いよいよ山鉾が動き出す。「エンヤラヤー!」という音頭取りの声に合わせてギシッギシッ。この日は、祇園祭に関わる誰もが「自分がいないと祭は成り立たない」と、誇りを持つ日。船鉾の舳先にいる、鼻筋の通ったおじ様。齢、80歳になるそうな。何十年前かの…

真夜中の宵山

宵山の夜。提灯落し、日和神楽、ちまきの精算etc.を終えての帰り道。船鉾でパチパチと写真を撮る、怪しい女性連れを発見。「竹内さん?」と声をかけると、若い方の足が止まった。やっぱり。竹内照代さん母娘だ。先日まで京都芸術センター「祇園祭ひと展」で…

宵山

宵山は函谷鉾でちまき売りを手伝った。ちまきとは、先日も書いた厄除けのお守りだ。祇園祭に行ったらこれを持って帰り、一年間門口に飾る。これ、ジモティの鉄則。それにしても「飛ぶような売れ行き」とは、この事だ。右手にちまき、左手にお金を持って、休…

焼山

「休み山」という山がある。火事や天災で巡行する事が不可能になった山だ。「焼山」とも言う。今日はそのひとつ、鷹山に行って来た。応仁(1467年)以前から出していたが、元治元年(1864年)大火で焼失した山だ。町の人が人形の首と手を持って逃げたので、…

虫づくし

今日は長刀鉾の町会所に上がって、じっくり。懸装品やら稚児衣装を見た。写真は見送の裾についている房金具。『鉄線花と虫尽し』天保7年(1836)山城屋彦兵衛作。蝉やら蝶やらトンボやらイナゴが彫ってある。爛縁金具にはナメクジもいる。どれも妙にリアルで…

トロイの木馬

今日はトルコ人のお友達、チェヴィッキ・オズグュールさんを祇園祭に案内する。オズさんはイスラム教だ。山鉾の懸想品には、モスクを描いたものもある。日本の祭は、色んな宗教を享受するよ、と見せたかったのだ。放下鉾の見送り「バクダット」はまだ飾られ…

縄がらみ

祇園祭の山鉾は、「縄がらみ」という手法で組み立てられる。わら縄でしばるだけ。釘を一本も使わない。毎年建てては解体するのだから、そうしないと持たないのだ。演劇の舞台セットは時間短縮と強度を優先し、釘で打ち込む。旅公演で3箇所ほど巡ると、板が…

Summer Mosaic

京大西部講堂へ、ベビーピーの「Summer Mosaic」を観に行く。西部講堂は、不気味な建物だ。グラウンドほどある広場の奥に、ポツッと建っている。一見、廃墟である。中もすごい。肌に張り付く、独特の空気である。扇風機がガンガン回っている。ここにいる蚊は…

神輿(みこし)洗い

数々の不義理を承知で、今日はゆっくりさせてもらおうと、大河ドラマ「義経」を観ていた。そこへ女鉾メンバーから「今、鴨川で神輿洗いを観ていま~す!」とメールが入った。これは見とかんと!「すわ!鴨川へ!」と、小雨そぼ降る中、自転車に飛び乗った。祇…

鎮魂のコンチキチン

今日は雨の中、JR京都駅に南観音山のお囃子を聴きに行った。JRは今年、福知山線脱線事故を受けて色々な行事を自粛しているらしい。だが主催者が変わって、急遽出演される事になったそうな。JRの事故にしても、ロンドンのテロにしても、公共の乗り物に乗って…

アスベストの思い出

アスベストと聞くと思い出す。大学生の頃、所属していた劇団のアトリエだ。劇場としても使うので、柱や天井は真っ黒、防音対策もしていた。そこへ入団してきた京都大学建築科の新人が「この天井のフワフワしたものは、アスベストじゃないか」と言いだした。…

囃子方

夕方になると、四条烏丸付近では「コンチキチン」の音が風に乗って聞こえてくる。祇園祭は今、鉾が建つまでの二階囃子の期間。各囃子方集団には必ずと言っていいほど、子供が混じっている。囃子方は小学生の時から、お父さんやおじいさんに連れられて、鉦を…

ちまき

祇園祭で「ちまき」と言えば、厄除けのお守り。日持ちは一年間。その昔、スサノヲノミコトが旅をした時、巨旦将来と蘇民将来の兄弟の家に一夜の宿を請うた。金持ちなのに拒否した巨旦将来とは対照的に、貧しいけれどもてなしてくれた蘇民将来。スサノヲノミ…

うちのお宝展

7/3まで、京都芸術センターで「うちのお宝展」が開催されていた。祇園祭で巡行する南観音山の懸想品や古文書を展示していた。中でも一番度胆を抜かれたのは、大広間に出現した屋根!そのままでは持ち込めないので、部屋で組み上げたらしい。普段は高いところ…

岩戸山

岩戸山の二階囃子を見学させてもらった。ここの稽古場は駐車場である。料金ゲートをくぐった2階に仮設の壁を作り、畳を敷いて使っている。頭の上にはスプリンクラー。鉄骨に太鼓の音が共鳴して、ボワンボワンと響いていた。囃子方は皆さん、とても和気藹々…