ひめ日記3

日詰千栄の日々を綴ります。芝居のこと、祇園囃子のこと、京都のこと。

情けは人のためならず

友人のお見舞いへ。
動けなくなって半年くらいになる。
「食欲がないねん」と痩せてはいたけれど、色々話ができた。
元気な時から他人のために忙しくしていたが
ベッドの上でも、他人の事で喜んだり心配したりしていた。

病人によっては、「見舞いに来てほしくない」というタイプもあるのだろうけど
彼は「病院変わってから訪ねてくれる人がめっきり減ってなぁ」
と寂しがっていた。

私の父も入院中、
「○○来とったやろ?」
と、寝覚めに確認された。
「来てないよ」と言うとがっかりしていた。

人が好きな人は、人から力をもらえるんやな。
「もういい加減、自分の事も考えたらどうですか?」
と言いそうになったけど、
彼の場合、”他人のため”の方が、
生きる力が湧いてくるのかもしれない。

「今までお世話してきたんやから、こんな時くらいお世話してもうたらいいんですよ」
と言った。
人の徳は、回り回るもの。
ど~んと構えていると、恩恵はきっと巡って来ますよ。