ひめ日記3

日詰千栄の日々を綴ります。芝居のこと、祇園囃子のこと、京都のこと。

六川の兄妹

烏丸ストロークロック『六川の兄妹』を観に、アトリエ劇研へ。
ケンと言う人に関する証言をするお芝居だった。
観客は、「興信所の人」と言う設定で、自治会の証言を聴いた。

途中で、犬飼氏扮する役が殴りこんできた。
安田一平氏が「あれ、おたくの知り合い?」
と客席に聞いた。
指差されたのは大木氏。
大木氏は首を振った。

「え~!大木君、リアクションしてる~」という驚きと
「ていうか、犬飼君のこと知ってるやん。
一緒に芝居した仲やん」
と思えて、他人行儀なアクションに、笑えた。

人は、いざという時、空気に流される。
そして、反応が従順なのが当然のごとく、芝居は進む。

その自治会の人達は、”社会悪”に対するために
結果的に殺人幇助を行った。
それが妙に爽快感を伴うところに、
”社会”、と言う空気に対する嫌悪感を抱いた。
そして、受動的な立場でも、加担している
「観客」の立場に、居心地の悪さを感じた。