6人部屋に、1人ぼっちだった1週間前を経て、今や同室は5人。
コロナで見舞客もおらず、それぞれがカーテンを閉めてひっそりしている。
でも病室の先輩として、手術に向かう時には「行ってらっしゃい」、
手術を終え、ICUから帰って来た時には「おかえりなさい」
と、声をかけるようにしている。
昨日病室に戻って来たYさんは、辛そうだった。
看護師さんに「痛い~、子供産んだ時より痛い~」とうなっている。
(確かに痛かったけど、出産よりマシやと思ってた…)
看護師さんが「誰かに代わってもらうわけにもいかへんしねぇ」となだめるが、嘆きは止まらない。
そうっとカーテンを開けて、「大変ですよね~。でも今が一番つらいから。ここでがんばったら、後が楽になるから」と声をかける。
術後の辛さや、翌日からのリハビリのしんどさは、最近の経験者が一番よく理解してあげられる。
そこから、Yさんも頑張りだした。
他の同室患者とも、「寝れない時はどうしてる」とか「病院食を減らしてもらう提案」とか「顔色がよくなってきた」とか、他愛ない会話ができるようになってきた。
病室名主の役目は、応援。
みんなが盛り上がってきたら、私は満足して、引き下がる。