ひめ日記3

日詰千栄の日々を綴ります。芝居のこと、祇園囃子のこと、京都のこと。

病室名主の役目

6人部屋に、1人ぼっちだった1週間前を経て、今や同室は5人。

コロナで見舞客もおらず、それぞれがカーテンを閉めてひっそりしている。

でも病室の先輩として、手術に向かう時には「行ってらっしゃい」、

手術を終え、ICUから帰って来た時には「おかえりなさい」

と、声をかけるようにしている。

 

昨日病室に戻って来たYさんは、辛そうだった。

看護師さんに「痛い~、子供産んだ時より痛い~」とうなっている。

(確かに痛かったけど、出産よりマシやと思ってた…)

看護師さんが「誰かに代わってもらうわけにもいかへんしねぇ」となだめるが、嘆きは止まらない。

そうっとカーテンを開けて、「大変ですよね~。でも今が一番つらいから。ここでがんばったら、後が楽になるから」と声をかける。

術後の辛さや、翌日からのリハビリのしんどさは、最近の経験者が一番よく理解してあげられる。

そこから、Yさんも頑張りだした。

 

他の同室患者とも、「寝れない時はどうしてる」とか「病院食を減らしてもらう提案」とか「顔色がよくなってきた」とか、他愛ない会話ができるようになってきた。

病室名主の役目は、応援。

みんなが盛り上がってきたら、私は満足して、引き下がる。

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