ひめ日記3

日詰千栄の日々を綴ります。芝居のこと、祇園囃子のこと、京都のこと。

女王の器

サンプル『女王の器』を観た。
川崎市アートセンター アルテリオ小劇場。
全然知らない劇団だけど、
作・演出の松井周さんという人が去年の岸田戯曲賞を取ったらしいのと
チケット代が3500円だったので観に行った。

当たりだった。
人形ごっこで女王様を決めて4日ごとに処刑していた女。
女王様が御曹司と逃亡するエピソード。
女王の人形を作る一家3世代の話。
ストーリーは少しずつ交錯している。
とても面白い。

う~ん。言葉ではうまく説明できないな。

門番の女性が、男を絶対通らせなかったのに
最後は「通ってくれ。そうじゃないと私の仕事がなくなる」と頼んで、
通るたびに悶えるのが良かった。

淫行条例違反で退職した刑事の亡霊もセクシーだった。

ちょっとずつ色んなところで思い出す作品。

「演劇をする人は、変わってますよね」
と言われることがあるけど、
私からすれば、社会人もみんな役を持っていて
お父さんだったり、
OLだったり、
先生だったり
それぞれプレイをしてるんじゃないかな。

そういう、日頃の役を全部脱いで自由になれるのが舞台でもあると思う。
社会的な役が取り払われると自分が丸裸になるみたいで怖いけど
本当の自分に向き合える機会でもある。

ま、舞台にも役があって、色んな制約はありますけど。

そんな自分がお客さんに何かを伝えられると、それは大きな喜びですね。