ひめ日記3

日詰千栄の日々を綴ります。芝居のこと、祇園囃子のこと、京都のこと。

涼しい音は冷やすな

京都の中京・下京界隈は2階囃子の季節。
夕方通りを歩くと、各鉾宿からコンチキチンの祇園囃子が聞こえてきます。

鉦の音、太鼓の締め方、メロディ。
山鉾によって、祇園囃子は違うのです。
それを聞きわけるのも、楽しい。

ある鉾は、鉦の音が、去年に比べて全然違いました。
涼やかで、濁りがない。
どうやら、新調したようです。

囃子方のSさん
「これまでは、宵山の日和神楽が終わったら鉦に水を張って翌日の巡行に備えとったんや。
なんや、響きがようなる気がしたんやな。
でも今回、鉦の職人さんに聞いて分かった。
あれはあかんにゃて。
ヒビが入ってる鉦を錆で埋めるんで、一時的に音がよくなるだけらしいわ」
と、笑っておられました。

そう言えば、鉦に水を張っているビデオ、他の鉾でも観たことがあるなぁ。
16日間叩きすぎて熱くなりすぎた鉦を、冷やしているのかと思っていました。

先輩から受け継いだ習わしも、科学的に解明されていく。
これからも、色んな発見があるかもしれへん。