ひめ日記3

日詰千栄の日々を綴ります。芝居のこと、祇園囃子のこと、京都のこと。

発つ者、たたずむ者

妹がアメリカへ帰国する。
見送りに、大阪国際空港へ。
「国際空港」と言うが、ここの発着は国内線のみである。
また、別名「伊丹空港」と言うが、伊丹市兵庫県なのである。

「大阪」も「国際」も怪しい空港。
(正式な住所は、大阪府豊中市だって)
それでもここは、好きな場所だ。

妹が乗ったであろうJAL便を、屋上から見送る。
あ~。発って行ったなぁ。

生瀬さんが昔の事を覚えていないように
妹も昔話をあまり覚えていなくて、友達に驚かれたらしい。
新しい環境に飛び込んだ者は、
次々と襲ってくる新体験に立ち向かわなきゃならないものね。
思い出の場所や、記憶からも遠くなるはずだわ。

今回私も、父の遺したメモや
テツ(昔飼っていた猫)がひっかいた足拭きマットを見て、驚かれた。

見送る者は、ここで生きている。
亡くなった人やネコも生活の一部になって暮らしている。
新しい事件も起こるし、日々忙しくはしているけれど
思い出は忘れないし、育てるし。

(いつでも待ってるよ~。)
と飛行機に手を振りながら、外の国に発つ人が少しうらやましかったりもする。