ひめ日記3

日詰千栄の日々を綴ります。芝居のこと、祇園囃子のこと、京都のこと。

携帯、発見の巻

帰り道、Aちゃんは沈んでいた。
携帯電話を落とした事で、今回の旅がすべて灰色になってしまったようだ。
私が楽しい話を持ちかけても「今は思い出したくない」と落込んでいる。

「電話を悪用するって何が考えられる?」
「電話に登録されている個人情報が流れたら、私のせいや
「今頃、ジャンジャンかけられてるかもしれへん」
などと、考えが悪い方にばかり向いているようだ。

「大丈夫やて。Aちゃんの携帯古いし、ゲームかてできひんやろ?」
など、慰めているのか、けなしているのか分からないフォローをする。
長崎県警にも連絡したし、後は待つしかない。
いつもは大事なお昼ご飯も、Aちゃんは食べる気にならないらしい。
ペコペコなお腹を抱え、
伊丹から京都へまっしぐら。
携帯ショップに直行して、まずは相談。

「では、電波を止める前に、探してみましょう」と言われる。
A「え?分かるんですか?」

「あ、ありました」
なんと、長崎の携帯ショップに届いているそうだ!!

ヤッター!!良かったね!
「では、電波を止めるのはやめておきますね」
A「はい。着払いでいいので、送ってください」
「いえ、拾得物はご本人が取りに行ってください」
A「え?えっ?」
「その際、ご本人と確認できるものを持参してください」
A「え?長崎にですか?」
「そうですね」
A「この荷物を見たら分かるでしょう?今、帰って来たのに、また行けとおっしゃるのですか?」
「そうですね」
A(・・・が~ん・・・)

喜んだのもつかの間、またもや新たな問題が浮上したのであった。
(続く)