ひめ日記3

日詰千栄の日々を綴ります。芝居のこと、祇園囃子のこと、京都のこと。

長崎の奇跡

17時頃。
新たな問題に悩むAちゃんを連れて、とにかくうどん屋へ。
出汁の匂いをかぐと、関西に帰ってきた気分やねぇ。
などと言っても、Aちゃんはそれどころではない。

10月中なら携帯ショップで預かってもらえるらしい。
とにかくその間に、長崎に往復せねば。
飛行機か、新幹線か、夜行バスか。
ただでさえ旅行でお金も休みも使い果たしたところだ。
何なら、帰ってこなきゃよかった。
あのまま手続きしていれば、2回分の交通費が浮いたんじゃないか。
などと言う始末。
悩んでいても埒があかないので、知合いの旅行会社勤務、T嬢に電話。

「無事にお帰り何よりです」
いやぁそれが、無事でないねん。

「え~?!もう一度長崎に手配?!」
「今回のは早割りだったけど、今月中となると高くつくよ。新幹線ならもっと高いし・・」
○○ショップの△△店に取りに行くだけやねんけどなぁ・・・。
「え?○○ショップ?う~ん。ちょっと考えさせて」
ガチャッ。
Aちゃんは「やっぱり手配は難しいんかなぁ・・・」としょげている。
うどんにも手がつかないようだ。
そこへT嬢から電話。

「何とかなりました」
え?それは、旅行会社としての話?
「違うよ。携帯電話、確保しました。今、私の叔母の家にあります」
な、なんと!!
T嬢の親戚が長崎に住んでいて
○○ショップに勤めている従兄弟さんがいるらしい。
従兄弟さん、忘れ物の電話を受けている時に偶然△△店の店長が通りがかり
話をつけて引き取ってくれたらしい。
何たる早業!何たる奇跡!!
長崎でなければ、○○ケータイでなければ有り得なかった展開だ。

私達がうどん屋にいる間に、すべて決着がついてしまった。
「うそぉ、うそぉ?!」
Aちゃんは胸がいっぱいになったようだ。
結局、うどんと親子どんぶり(具だけ食べて)残していた。

2日後、「嫁ぎ遅れるくらいに厳重な箱入娘状態」で、携帯は無事に帰還した。
Aちゃんは、「私は長崎大好きやったけど、長崎が私に惚れていたのね」
と、新たな勘違い状態に入っているようである。