ひめ日記3

日詰千栄の日々を綴ります。芝居のこと、祇園囃子のこと、京都のこと。

何のために生きているのか

お盆を過ぎて、一挙に涼しくなった。
道に、セミが落ちている率が高くなった。
自転車で走っていると、ドキッとする。
たいがいはすでに踏まれた後で、ペチャンコになっている。

セミという虫は、よく理解が出来ない。
ひと夏をミンミン鳴いて、コロリと死ぬ。
敵に見つかるのもお構いなし。
小学生につかまってカゴにいれられているお前は、
何のために生きたのか?

でもお芝居に精を出す私達も同じかもしれないなぁ。
ひと夏を「モスクワへ」の台詞に費やし、
パッと散る。

秋の気配を感じて、来週に迫った本番を間近に感じる。
本番が終わると、この台詞も稽古もパッと散るのだ。

何のために生きたかって?
そんなことより、生きているからにはとにかく鳴かずにはおれないのよ。