ひめ日記3

日詰千栄の日々を綴ります。芝居のこと、祇園囃子のこと、京都のこと。

食わず逃げ

友達のお兄さんに、ホテルの食事券をもらった。
一人5000円ずつ、3枚分。
やった!これで豪遊だ!

はりきってレストランをチェック。
そこで知る、厳しい現実。
ホテルのレストランメニューって、12000円とか、27000円とか。
これじゃ5000円あっても、焼け石に水やん。

ただひとつ、鉄板焼の店で「京美人」というコースを見つけた。
5000円。女性の方に人気です。
これなら行けるやん!

予約して、(7時と言ったら「込み合っておりますので7時半にしてください」ともったいぶられ)うやうやしく出迎えられた。
荷物を預け、椅子に座り、おしぼりで手を拭いて、見せてもらったメニュー。
『京美人』がない。
「あのう、『京美人コース』は・・・?」と店員さんに聞くと
「それは、お昼のメニューでございます。6月は魚がメインとなっておりますので、またお召し上がり下さい」
「・・・・そうですか、すみません」
他のメニューは「鴨川コース」9300円。「京コース」20800円。
3人の顔から血の気が引いた。

ここは度胸だ。
「すみません。『京美人コース』のつもりだったので、今日は失礼します」
メニューをたたんで、荷物を返してもらい、店を出た。
一人が忘れ物をして、女性の店員さんが追いかけてきた。
「隣のフランス料理でしたら、6000円からございますよ」と耳打ちしてくれた。
あぁあ、ありがとうござい。
駆け込んだフランス料理屋で、一息ついた。

友人達は「鴨川コース」を覚悟していたそうだ。
それじゃ、お兄さんの好意があだとなってしまう。
この先お兄さんを恨むより、一時の恥。
あぁ危なかった。
フレンチは安心して食べられたので、2倍おいしかったです。
ごちそうさまでした。