ひめ日記3

日詰千栄の日々を綴ります。芝居のこと、祇園囃子のこと、京都のこと。

OMS戯曲賞リーディング公演

OMS戯曲賞リーディング公演当日。
リハーサルで他の作品も観た。
受賞作品3本とも、
工夫を凝らした朗読だった。

司辻有香さんの「愛と悪魔」は、
強烈だった。
若くて可愛らしいお嬢さんから、
あんな恐い言葉が紡ぎ出されるとは。
高校生が朗読しているような演出で、余計にリアルだった。

ごまのはえ氏の「ヒラカタ・ノート」は中野信夫の話を中心に再構成した。
シーン毎にト書きを読む人や、配置を変えた。
交通事故に遭う澤井かずえ役を高原嬢が演じた。
公演では音響の都合で別のネタになった 「今日もやしきたかじんが始まる」
というモノローグが復活して楽しかった。

水沼健氏の「壁ノ花団」は、女性4人の日常会話。
軽妙で、ウィットに富んでいる。
読み終わった原稿が花吹雪のように散っていく。
よくぞこれだけ等身大で魅力的な女性群像を描けるものだ。
男性なのに。
全体にもトリックが仕掛けてあるので、本をちゃんと読んで確認したいと思った。

OMS(扇町ミュージアムスクエア)がなくなっても、OMS戯曲賞は存続する。
その事に、大阪の大人の粋なところを見る気がした。