ニットキャップシアターの「ヒラカタ・ノート」を観に、枚方市総合文化芸術センターへ。
枚方の団地で発生する、様々な事件。
その中の、「大してカッコよくもない信男と、大してかわいくもないかづえ」の、微笑ましいカップル=ロメオとジュリエットを中心にしたエピソード。
初演は2004年。京都で2回公演し、OSM戯曲賞特別賞を受賞し、リーディングでも上演した作品。
暗さとよどみとピュアさと論理の空回りと、本能的レベルの母の愛。
2004年当時は「前衛の形を借りた、演歌をやる」って演出だったけれど、少し演劇寄りに、見やすくなっていた。
甲子園の人文字とか、やしきたかじんとか、時代を感じさせるネタもあり、一方引きこもりや風で疫病の蔓延する世界という、現代性もはらんでいる。
忘れかけていた色んな名台詞がよみがえった。
「若いとか、もうええねん、だってしんどいだけやもん」
他にも「てがう」とか「パンジー」とか、失敗して噛んだり、台詞を忘れて繰り返した、上手じゃない役者の台詞が残っているのが、自分でも面白い。
枚方にできた新しい劇場の杮落としで、枚方出身の作家が書いた、枚方の団地の世界が上演できたことは、枚方の未来にとても意味があると思う。
新しい劇団員や若い客演陣も素敵だった。
帰途、初演で共演した大木湖南氏と、止まらない話をした。