ひめ日記3

日詰千栄の日々を綴ります。芝居のこと、祇園囃子のこと、京都のこと。

太鼓の新境地

祇園囃子は鉦、笛、太鼓の楽器で奏でる。
初心者は鉦方から始め
平成女鉾清音会の場合は5-6年経験し、後輩を育てたら卒業して笛方か太鼓方となる。

笛方は、一匹狼。
笛一本で囃子に参加できる。
特に人数制限もなく、厳しい選抜メンバー争いもない。

太鼓方は、チームワークが求められる。
練習開始の30分前には稽古場へ赴き、太鼓を締め上げる。
本番に叩けるのは2名。
練習中でも多くて4基分しか太鼓の席はない。
上席に一打一打合わせられないと、一発で下手なことが目立つ。

かつてはメンバーに笛方志望が多く、せっかく入った太鼓方も続かなくて、
私とK先輩の2人の時代が長くあった。

それが近年、太鼓方が増えている。
現在9名。

我々先輩も休める時間ができた。
後輩の太鼓を聞いて、ウズウズする。
稽古後半に、自分達に回ってきた時は、思いっきり弾ける。

上席と呼吸を合わせて「あら、こう叩くのね?」とニヤニヤしたり
自分が上席の場合は「じゃあこれはどうですか?」と攻めてみたり。
そんな様子が全体の囃子に楽しさを伝染させる。

囃子も新たな段階に差しかかったなぁ、と思うのです。
これは、一人では行けない境地。
幸せなことです。