ひめ日記3

日詰千栄の日々を綴ります。芝居のこと、祇園囃子のこと、京都のこと。

ゆきむしとカメムシ

余市には「ゆきむし」がたくさん飛んでいた。
まさしく、雪みたい。
人間や車に当たると、静かに死ぬ。
この虫のお尻が白くなると、雪が降るのだとか。

カメムシも、雪の季節に人家に現れるそうだ。

「ゆきむし」大量発生と同じ日、カメムシが舞台に飛んできた。

前説をしている澤村氏の足に止まり、
市川嬢の奏でる二胡に止まり、
仮面で出演するごま氏の首に止まった。
ごま氏はとっさに捕まえた。
うごめく足を認識し、握りつぶした。

ただカメムシは、静かに死なない。
強烈な臭いを発する。
舞台を降りたごま氏は、すぐに手を洗ったらしいが
手は真っ黄色になっていた。

黄色は翌日になっても落ちなかった。
舞台監督のよっちゃんが「親油性みたいです」と、試していたけど、どうだったのかなぁ?

その日はとてもお客さんに受けていて、
「私かてギリシャに行きたいんやから~」で爆笑が起こっていたのに
カメムシ対応にかかりきりで、見届けられなかったごま氏は、とても残念だったと思う。