ひめ日記3

日詰千栄の日々を綴ります。芝居のこと、祇園囃子のこと、京都のこと。

「琥珀」に集う人々

お墓詣りの帰り道、夕方4時ごろ。
京都・宮川町辺りでひと息入れようと、タイルづくりの古そうな喫茶店に入ってみた。

喫茶『琥珀

「空気清浄器完備」と書いてある。
タバコはOKだけど、換気には気をつけてるということかしら?

中に入ってみると、すでにいる女性二人客がモクモク吸っている。
店内はケムい。
(どこで空気清浄器が働いてるねん)と思ったら
ごっついでかい器械が私の席の上にあった。
スイッチは思い切りOFFになっている。

2人は旅行者のようで、喫茶店のママさんと話をしていた。
ママさんは82歳で、この喫茶店を経営して
「もう40年になりまんな」などとおっしゃっていた。

そのうち客に携帯電話がかかってきた。
「せやし縁切りは1回くぐって、また戻ったら縁結びになるんよ」
どうやら知人が安井金毘羅に参っているらしい。
「ストーカー封じのお札も買っとき」
(えぇ~?その前に警察行った方が早いんちゃうん?)

次に入ってきた60代くらいの女性は
「あ~昨日も夜遊びした。帰ったら朝8時」と言っている。
「今日は昼の2時に起きてん。お腹すいたわ。ママ、朝ご飯頂戴」
ここは喫茶店だけど常連には定食も出すらしい。
「私かてな、家でご飯は炊くねんで」
(夜のお商売でもしてるのかな?にしては言い訳がましい)

その次に中国人女性と工務店のおっちゃんが入ってきた。
「家を改装するんやったら100万はいるわ。持ってるんか?」
「ハイ。冷蔵庫足りないデス」
「冷蔵庫やったら3万くらいで何とかなるやろ。ひぃふぅみぃの3や」
(数字をそんな数え方したら、通じひんのちゃう?)

いやいやものすごくディープな空間だった。
本を読みながらだったけど、耳に会話が飛び込んできた。
ここに3時間いたら、小説が5本くらい書けるんちゃうか?
いや漫才かな?突っ込みポイントいっぱいやし。