ひめ日記3

日詰千栄の日々を綴ります。芝居のこと、祇園囃子のこと、京都のこと。

パイプのおんじ

10月からのたばこ値上げで、愛煙家は打撃を受けているらしい。
私は基本的に煙草が好きではないが、
苦手を通りこして畏敬の念を抱いている紳士がいる。

その方は、80歳を過ぎた小柄な名誉教授。
長年スモークにいぶされて、建物に入ってきただけで存在を感じる。
今日もお会いした。
胸ポケットからは煙草がのぞいている。

「僕ね、値上げを期にね、パイプにしようかと思うんですよ」
パ、パイプですか?!
「あれは葉っぱに直接火をつけるでしょ?おいしいんですよ」

パイプは葉っぱの火を消さないように注意がいること、
パイプ本体は日本では高くて、外国に行った時にコレクションしていること、
パイプ用の葉を売っていた高島屋が最近売っていないこと
など、教えてくれた。

「煙草はイライラした時に吸いたくなるけど、
パイプはゆったりしている時間にくゆらせたくなりますよね」
と、煙草好きの人が相槌をうっていた。

癒しの時間かもしれへんけど、自分の命も縮めてるんちゃうかなぁ?
とは言えこの先生、80歳を過ぎてもお元気だわ。

パイプと言えばアルプスの少女ハイジのおんじもくわえていた。

あれは、煙草の害をくぐりり抜けた、
年季の入った煙草おんじにこそ、ゆったりくわえる姿が似合うアイテムかもね。
写真は、お茶の葉っぱです。