ひめ日記3

日詰千栄の日々を綴ります。芝居のこと、祇園囃子のこと、京都のこと。

緩和のみんな

父の入院している【緩和病棟】は、思いやりの館だ。
お医者さんも看護師さんも、
信じられないくらい優しい。

お医者さんは「話すスピードが早すぎない?大丈夫?」とか
「分かりにくい言葉でごめんなさいね」
などと丁寧に説明してくれる。
患者と家族が納得するまで無理強いはしないし、
「どんな事でも相談してください」とおっしゃる。

看護師さんも親身になって看護してくれる。
「しんどい」という患者に眠るまで背中をさすってくれたり
家族にも「どうですか?」と話しかけ、一緒に考えてくれる。

薬を置くだけでパタパタ去っていかないし、
患者を「おじいちゃん」などと呼ばないし、
(どうせ分からないだろう)という態度で患者を無視して早口に説明したりしない。

昨日は先生の説明を傍らで聞いている看護師さん(中堅)が泣いていた。
私達は淡々と聞いていたのに。

皆さん心身共にハードなお仕事を、よくぞこなしていらっしゃるものだ。
担当の看護師さん(若手)が明日から10日間、お休みを取るそうだ。
よくよく聞くと、エジプト旅行に旅立つとか。
「ゆっくりしてください。仕事の事は忘れて」
と、心から送り出した。

そうでもしないと、もたないもんね。
「おみやげもらえるかなぁ」とつぶやくと
「それは有り得へん」と家族に注意された。