ニットキャップシアターの『補陀落渡海記』を観に、シアター京都E9へ。
61歳になると、補陀落山寺の住職は、補陀落(=観音浄土)を目指して、渡海する慣習があったそうです。
歴代8番目の渡海上人となったお坊さんが主人公。
仏のように見えるお坊さんの内面、村人達の視線、芸術大学の移転、観音様の救済、渡海後の流転など、多層な世界が展開する。
私の知っているお坊さんには、ヤンキー出身だったり、罪を犯したり、ちょっとした人生の後悔を伴って出家された方がいらっしゃる。
そんな方々を思い出しました。
佛教大学出身のごまのはえ氏だからこそ書ける境地じゃないかなぁ。
住職が観音様と逃げる場面、良かったなぁ。
イマドキの芸大生もリアルだった。
蟹関連のシーンは、グロかった。
決断や出発、大事なシーンがあっさり描かれるのも面白い。
観劇後は八角、ルーロー飯の後味でした。
あぁ深おもしろかった。
布一枚や振動する音や照明で、色んな境地に連れて行ってくれる、演劇っていいなぁ。