ひめ日記3

日詰千栄の日々を綴ります。芝居のこと、祇園囃子のこと、京都のこと。

虎のリズム

平成女鉾清音会の稽古。

鉦方の新人ちゃんは入会してすぐに長期休みが続いたので、囃子がまだおぼろげ。

『虎』という曲を、「チキチン、チキチン」と歌いながら叩いている。

 

う~・・・、こりゃいかん。

「声を出して叩く段階は、もう卒業しよう」と声をかけた。

太鼓や笛がいるのに、鉦だけで歌って完結してしまうと、立体的な囃子が奏でられない。

リズムをゆったりと終わらせたくても、鉦が「チャララン」と先行すると、曲が収まらない。

 

間違えなく叩くのも大事だけど、練習では気持ちをそろえよう。

技術的な説明ではなく、『虎』の曲のイメージを伝えた。

竹林を虎がのっしのっしと歩む様子、ガオーと吠えた箇所、太い足。

すると、互いの音を聞き合い、囃子が揃って、豊かに奏でることができた。

うれしいなぁ。

人間って素晴らしいなぁ。

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