平成女鉾清音会の稽古。
鉦方の新人ちゃんは入会してすぐに長期休みが続いたので、囃子がまだおぼろげ。
『虎』という曲を、「チキチン、チキチン」と歌いながら叩いている。
う~・・・、こりゃいかん。
「声を出して叩く段階は、もう卒業しよう」と声をかけた。
太鼓や笛がいるのに、鉦だけで歌って完結してしまうと、立体的な囃子が奏でられない。
リズムをゆったりと終わらせたくても、鉦が「チャララン」と先行すると、曲が収まらない。
間違えなく叩くのも大事だけど、練習では気持ちをそろえよう。
技術的な説明ではなく、『虎』の曲のイメージを伝えた。
竹林を虎がのっしのっしと歩む様子、ガオーと吠えた箇所、太い足。
すると、互いの音を聞き合い、囃子が揃って、豊かに奏でることができた。
うれしいなぁ。
人間って素晴らしいなぁ。