ひめ日記3

日詰千栄の日々を綴ります。芝居のこと、祇園囃子のこと、京都のこと。

TN君の伝記

実家の本棚を整理していて見つけた書。

なだいなだ『TN君の伝記』

  

江戸幕府が倒れ、薩長の官僚がばっこする明治時代、TN君は留学して世界に学び、理想を探す。

“より自由になるということは、より進歩することではない。より文明開化することではない。ひとりひとりが、より自己に目覚めることだ。だれもたよりにせず、だれに支配もされずに生きることに目覚めることだ。”


帰国後、TN君は自由と民権を目指し、本を書いたり、憲法や国会を開くよう、かげひなたに活動した。
”世の中は革命では変わらない。空気が変えていくのだ。”
やっと国会が開かれた頃、帝国主義という新たな空気が社会を覆い、人々は熱狂する。

 

感染症が流行り温暖化が進み、嘘をつく政治家やトンでも大統領の台頭で社会の分断化が進む現代と明治時代は、先の見えない曲がり角という意味で、似ているかもしれない。

一人一人が自分の頭で考えて、間違った方向へ進まないように気をつけないとあきまへん。

 

ニットキャップシアター『カレーと村民』の時代背景に、少し理解が増しました。

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