ひめ日記3

日詰千栄の日々を綴ります。芝居のこと、祇園囃子のこと、京都のこと。

文化の開き方

告別式にて、母方の親族と逢う。
母は徳島出身だが、現在徳島に住んでいるのは伯父と伯母のみ。
従兄弟たちは全員本州で生活している。

祖母の家は、海沿いの、とてものどかな場所だった。
でも東日本震災があってから、若い人が家を建てなくなったらしい。
津波が来たら一発で流されそうな場所だもの。
近くにあった病院も高台へ移転したとか。

小さい頃は、よく徳島に遊びに行った。
田舎の時間を満喫した。
一方、従姉妹たちの都会への憧れ方はすごかった。
私より映画やアイドルの情報を知っていた。
「映画館も大阪城ホールも近くにあるのに、行かへんのもったいない!」と言われた。

これは現代に限ったことではなく、昔からの傾向のようだ。
伯母の時代には、田舎ながらダンスホールや映画館に通い、都会文化の吸収に余念がなかった。
父は京都だけど、野球ばっかりして、芸能にはまったく興味がなかったようだ。

祖母の時代には、日本舞踊の先生がいると、山を越えて幼い母を習わせに行った。
先生は京都で芸妓さんをしておられたという話だ。

鎌倉時代もそうだろう。
都の落人に芸能を習い、それが祭へと発展したのではないか。

文化って、遠いところの方が花開くかもしれへんなぁ。
なまじ知合いのタレントがいるとか、お祭の裏情報を知っていると、ありがたさも薄れるもんなぁ。