ひめ日記3

日詰千栄の日々を綴ります。芝居のこと、祇園囃子のこと、京都のこと。

先生が泣いた詩

月に一度の継続朗読講座。
今回の題材は、詩。
柴田トヨさんの「くじけないで」から一篇ずつ読んでもらう。

”詩”なんてシンプルすぎて難しいんじゃないかと
自分の世界をきっちり作らないと照れくさくなっちゃうんじゃないかと
心配したのは、私の浅はかさ。

さすが、熟年の皆様。
気負わず、カッコつけず、恥ずかしがらず
さらりとご自分の世界に惹き込む。
皆さんの朗読に、ただただ胸が震える。

途中、Oさんの朗読にとどめを刺されて、泣いてしまった。
先生なのに。
遠くに暮らす息子さんを思って読んだんだって。
決して強くないけど、励ますお母さんの声を聴いた。
アシスタントのかもめ嬢も「すみません」とタオルで顔を覆っていた。

「倅よ」

何かつかえることがあったら
母ちゃんを 思い出せ

誰かに
あたっちゃあ だめだ

あとで 自分が
嫌になる

ほら 見てみなせ
窓辺に
陽がさしてきたよ
鳥が 啼いてるよ

元気だせ 元気だせ

鳥が 啼いてるよ

聞こえるか 健一