ひめ日記3

日詰千栄の日々を綴ります。芝居のこと、祇園囃子のこと、京都のこと。

村まつりで弱肉強食を学ぶ

お泊りした旅館は、小さな村にある。
お祖母さんが経営されていたのを、
ご両親と娘さんが継がれ、お客さんの予約がある時だけ開けているらしい。

「この村にはO型とB型しかいないんです」と娘さん。
長らく閉ざされていたので、村の人と外の人で顔つきも違うらしい。
そして皆さん、非常に明るい。

娘さんに案内いただいて、川で遊んでいたら、村の放送が流れた。
「事情により、餅まき行事を1時間繰り上げます」
今日は八幡さんで村祭りをやっているらしい。

人がどんどん出てくる。
自転車で向かうおばちゃんに
「あんたらもおいで。餅まきあるで」と
うさぎみたいに優しい顔で誘われて、袋を持って神社へ。

(こんなに人がいたのか)とびっくりするほど、集まっていた。
祝詞の後に、お経が唱えられた。
(ここ、神社ちゃうのん?!)
と思ったけど皆さん口々に
「ぎゃーてーぎゃーてーはらそーぎゃーてー」と両手をさすりながら唱えておられる。

餅まきについて、提供者(町長、郵便局、青年団)やルールなど延々説明があった後、餅まき開始。

投げられる紅白小餅の痛い事!
げんこつが飛んでくるみたい。
転がった餅もすごい勢いで奪われる。
「サ」と書いた餅は、「砂糖」
「ゴ」と書いた餅は「ゴミ袋」と交換してくれる。

その後、子供・女性・男性と部門が分けられて大餅投げ。
「お米5キロ」や「みりん一升」の餅を争奪する。
「痛い~!」「それ私の~!」など、叫び声も勃発。
さっき「おいでや~」と誘ってくれたおばちゃんが山猫みたいに睨み合っている。
この祭、一年の平和どころかわだかまりを作るんじゃないかと心配になる。

よそ者なのに入れてくれてありがとうございました。
砂糖とお餅とひっかき傷をもらって、良い思い出になりました。