ひめ日記3

日詰千栄の日々を綴ります。芝居のこと、祇園囃子のこと、京都のこと。

GUCCIと金閣寺の旅

「時の贈りもの」- GUCCI90年のアーカイブ展 - を観に金閣寺へ。

黒スーツにインカムをつけた男性にエスコートされ、
入場した方丈(特別公開)には
ひっそり開けた襖の前に
年季の入ったグッチのハンドバッグが並んでいた。

襖に描かれた仙人たちが
ふと目にしたバンブーバッグの美しさに誘われて旅支度を整え、
森の奥へと分け入って行くというストーリーらしい。

ドレッドな仙人にはステッカーの貼ったスーツケース、
弟子的な若人には帽子入れなど
それぞれにふさわしいバッグがあてがわれている。

「川の間」の船の前には黒く重々しいトランク(葛籠)が積み上げられ
そばにはグッチのサンダルが脱ぎ捨てられている。
どうやら仙人の一人が川に飛び込んだらしい。
襖には、さざ波の反射がちらちら揺れている。

縁側を歩く足の裏は焼けそうに暑かったけど
「雪の間」ではホワイトオーストリッチのハンドバッグが並べられ
はらはらと雪が降るかのような控え目なライティング。

時を超えた旅をする襖絵の仙人たちが楽しそうで
観ている間、ニヤニヤした。