ひめ日記3

日詰千栄の日々を綴ります。芝居のこと、祇園囃子のこと、京都のこと。

夜のカモ

転院した友達のお見舞いに行く。
待ち合わせたのが18時で、
バスが来たのが18時半。
その間に日もとっぷり暮れてしまった。
京都バスは山道をどんどん、どんどん進む。

目的地は、八瀬。
空気が澄んでいるからか、市内よりずいぶん寒い。
辺りは真っ暗。

ぼんやり灯りが見えるので、それを目指して探り探り進む。
前まで行きかけて、
「ちゃうちゃう、こっちは老人ホームや」と脇のあぜ道を進む。
街灯もなく、星と月明かりが頼り。

話しながら歩いていて、溝に落ちる。
「こんなん、鳥目やったら絶対無理やで~」と言うと
カモが4羽、田んぼの中を連なって歩いていた。
鴨は夜でも見えるんやな~。

入院している友人は、手足が動きにくくて、ほとんどベッドに寝たきりらしい。
詳しく病状を知らなかったので驚いた。
「メールを送らんといて。返信できひんから」
という理由は、こういうことやったんや。

本人は「それなりに忙しいんやで」と言っていた。
「窓から見える景色もきれいしなぁ」と笑っていた。

帰り際「溝に落ちるなや」と言われたので
「もう落ちたよ」と答えると「言うといたらよかった~」と悔やんでくれた。

他人の心配りばっかりして。
リハビリで回復したら、鴨と競争しようね。