伸びすぎた髪を切りに、美容院へ。
今日は前髪を作るのだ。
私のおでこは狭い。
その上毛髪が天に向かって生えているので、
ショートにするのは危険なのである。
美容師さんはそれを悟ったらしい。
「では、切りますよ」と慎重だ。
ジャッキリ。
「今、目の下まで切りました。
これは髪が自然にアールを描くラインで落ちます。
もう少し切りますか?」
私は少しでも短くしたい。うなづく。
ジャッキリ。
「今、目の上です。短いな、という長さです。
これだと直線ですがギリギリ前髪が下に向きます。
庇(ひさし)になる直前です。
もう少し切りますか?」
どうせ伸びるのだ。切ってください。
ジャッキリ。
「今、眉毛の下です。かなり切ったな、という長さです。
これ以上切ると髪が上を向いてしまいます。
ここまでにしてください」
前髪の短い私は、なかなか良い。
なんだか山口智子さんみたい。
ブローしてもらった姿に大満足して美容院を後にした。
自転車を漕いで家に帰ると
前髪が全部立っていた。
パンク・ロックだ。アナーキーだ。
(あぁ、美容師さんはこれを心配してたんやなぁ)
鏡を見てつくづく納得した。