病院には着いたけれど、部屋番号が分からない。
面会19時までに、あと20分。
唯一連絡先を知っている叔父の次男君には連絡がつかない。
母や伯母、伯母の長男、1階ロビーで色々連絡している間に10分前になってしまった。
長男君と連絡がつき、たどり着いたら5分前。
長女ちゃんが看病をしていた。
叔父さん、一生懸命息をしていた。
長女ちゃんが「おとん自慢のチエちゃんが来たで」と声をかけると
うっすら目をあけてくれた。
小さい頃から知っている叔父さん。
お寿司や祇園のスナックに連れて行ってくれたこともあった。
「千栄はええ子や、言うてたで」と、父の言葉を教えてくれた。
「色々ありがとう。恩返しはできないけど、お見舞いくらいやったら来れるしな」
と告げて、面会時間を15分ほど過ぎて病室を出た。
五人兄弟の末っ子の叔父は、優しくて怖がりだったけど、がんばっていた。
叔父さんが逃げずに一生懸命な姿を見れて良かったよ。