ひめ日記3

日詰千栄の日々を綴ります。芝居のこと、祇園囃子のこと、京都のこと。

黒おふく白おふく

東山の二寧坂の「かさぎ茶屋」で冷たいお汁粉をいただいた。
観光客が行き交う、めぬき坂にあるのに、ひっそりたたずんでいる。
そこだけ昭和にワープしたみたい。

黒電話に火鉢。
レジには、黒光りしたお福人形が鎮座している。

「黒いお顔ですね~」と言うと
「彼女は100年もここに座っているんです。冬になると、あぶり餅を焼くので、炭でいぶされてしまったんです」とお店の方がおっしゃる。

100年を機に、新しいお福さんを連れてこられたそうだ。
同じ店で買ったけれど作り手も代替わりしていて、お顔が違う。

「ここに並べたら、焼きもち焼くといけないので」
新参者は店頭に鎮座していた。

新しいお福さん、黒い多福さんとお話することがあったら、外界の様子を伝えてあげてね。