ひめ日記3

日詰千栄の日々を綴ります。芝居のこと、祇園囃子のこと、京都のこと。

鉈切り丸

『鉈切り丸』を見に、大阪四ツ橋オリックス劇場へ。

私はずっとこのタイトルの読み方が分からなかった。
検索するのも苦労した。
「なたぎりまる」と読むそうだ。
開演しょっぱなに判明した。

鎌倉時代に繰り広げられた、兄弟の骨肉の争い。
黒幕は「鉈切り丸」と呼ばれる源範頼
せむしでびっこ(これ、どちらも放送禁止用語ですよね)というハンディを持ちながら
生きる力が非常に強い。
足は速いし、悪知恵は働くし。
うまく立ち回って色んな人を踏み台にのし上がっていく。

特に巴御前に対する仕打ちが相当ひどかった。
鉈切り丸も、人が信じられなくて自ら不幸に陥いる。
目を覆うような地獄絵図。
女優さんが舞台初挑戦らしく、
心情などが生々しく伝わってこなかったので、ちょっと救われた。

上演時間は2時間50分。
悲劇って人間を鷲掴みにする力があるのね。
しばらく忘れられそうにない作品でした。