ひめ日記3

日詰千栄の日々を綴ります。芝居のこと、祇園囃子のこと、京都のこと。

湯舟相談室

実家近くの温泉へ。
ここは父がホスピスにいた頃、看病の帰りに時々訪れた。
死に向かう人間とは対照的な
生きているたくさんの肉体を目の当たりにして面食らったものだ。

露店風呂で、2人組が話している。
Aさんは結婚を控え、Bさんは遠距離恋愛中のようだ。
Bさんは、彼氏がケチなことに不満みたい。

B「食事に行ってもきっちり割り勘やねん」
B「ソフトバンク同士やから9時以降は通話料がかかるねんけど、一回もかけ直してくれたことがない」

Aさんは「信じられへん」を連発。
A「私は電話したら、必ず彼が『かけ直そうか?』と言ってくれた。この人やったら大丈夫、と思って部屋の鍵を渡したんよ」

(Bさんの彼も東京で就職して、経済的に大変な時期なのかもしれへんなぁ)
と、お姉さんとしては思うのだけど
ABさんは(愛されている)という確信が欲しいんやろね。

Bさんは不満を抱えながらも寂しくて毎日電話しているようだ。
お風呂を移動しても、脱衣所でも、下足を履きながらもずっとその話だった。

よっぽど好きなんやなぁ。
生きてるって、こういう悩みの繰り返しかもしれへんなぁ。