ひめ日記3

日詰千栄の日々を綴ります。芝居のこと、祇園囃子のこと、京都のこと。

平成時代の女の鉾

会場は勉強熱心な方々と山鉾関係のお顔がチラホラ見えて、150名盛況!
八木先生の講演は
民俗学的見地より女人禁制の歴史を紐解きます、と
土俵や大峰山の話に始まり、祇園祭へ。

1000年の歴史中、前半500年は女性も参加していたらしい。
女性が遠ざけられたのは室町時代中~後期から。

・仏教経典(「血盆経」では女性は生まれながらに罪がある)
祇園会は仏教行事だった(中世には比叡山延暦寺支配下
朱子学の影響(徳川時代は男性中心)
重要無形文化財指定のモデルは江戸時代後期の山鉾の姿
など理由を分析されていました。

後半は、お招きいただいて平成女鉾清音会の紹介から。
女人禁制の意味だけではなく、新しい鉾は今のところ祇園祭参加は難しい
という話を受けて
平成女鉾は100年200年先に巡行参加が叶うかもしれない、というスパンで活動している。
祇園囃子は男性でなければできないものではない。
技術も大切だが、息を合わせ、曲に集中するセンスが必要。
私達も囃子から関わって祇園祭の奥深さに惹かれた。
文化は”古いものをそのまま残す”だけでは廃れてしまう。
老若男女あまねく関わり、時代に応じて生き生きと継いでいくことによって華開く。

今、生きている人間がしていることが正しいか正しくないかは後世の人が決めること。
500年を経て女性の囃子方や女性の鉾が誕生したことは紛れもない史実。
時代も社会も変化する。
地縁・血縁・経済の縁で結ばれたコミュニティではなく、
志の縁に支えられる平成女鉾は、
facebookなどSNSの発展と共に新しい鉾町のあり方を探っている。
私達にできることは、楽しく仲良く、時には厳しく祇園祭のスピリットを継いでいくこと。
100年後に「あの子らやったら間違いない」と思ってもらえるよう、まずは続けること

など、お話しました。
聴衆の皆さんはうなずいたり、時に笑い声も起こり、熱心に温かく聞いてくださいました。
賛助会にも何名か入会いただきました。

お芝居の舞台なら台詞が決まっているけれど
自分の考えをまとめながら話すなんて、以前の私にはできないと思っていました。
八木先生のインタビューがスムーズに引き出してくれました。
企画くださった佛教大学四条センタ―の皆様、当日協力いただいた皆様
ありがとうございました!