ひめ日記3

日詰千栄の日々を綴ります。芝居のこと、祇園囃子のこと、京都のこと。

あの日からのマンガ

しりあがり寿の「あの日からのマンガ」を購入。
「あの日」とは、2011.3.11.
しりあがりさんは、朝日新聞の夕刊に4コマ漫画を掲載しているのですね。
東日本大地震の直後は、
自分の常識が揺らぎ、次々展開される現実を俯瞰することもできず
何を言っていいのか、表現していいのか、
そもそも表現することが許されるのか惑う日々だった。

そんな日々にどんなことを描いたのだろう。

計画停電やACのCM、日常でクスッと笑える話。
ゲンパツ嬢が「私は皆の手に負えるような女じゃない」と川で悪魔の血を流す話。
放射能を放射熊の間違いという話。
自由な発想で、ハッとさせられる。

最後のマンガ(「そらとみず」)はひとつも言葉がなかったけれど
読んで(見て)いるうちに、涙があふれてきた。
写真より、迫ってくるマンガがあるのですね。
急に襲ってきた災害をどう捉えて、受け止めて離したらいいか
しりあがりさん流の世界観が表現されていた。
涙を流した後、顔を上げる力が湧く作品だと思う。

しりあがりさんと書くのは、非常に違和感がありますけれども。
真面目にふざけている作家さんです。