ひめ日記3

日詰千栄の日々を綴ります。芝居のこと、祇園囃子のこと、京都のこと。

送り火

大文字送り火をマンション7階のI氏邸で見る。
I氏のお宅にお邪魔して、何度お聖霊さんを送ったかしら。
まさか、今年ここのI氏を送ることになろうとは、考えたこともなかった。

3月に亡くなったI氏の初盆は
「今まで通り集まってほしい」というお母様のはからいで
友人達で集まった。

太鼓を自宅で締めてくれた話や
ラグビーの試合を観に行った想い出、
会社の人を送ってあげたとか
独身だったI氏は誰を好きだったとか
色んな人の記憶が口々に語られる。

I氏は人付き合いが良く、たくさんの人に好かれていた。
お母さんは「家では無口だったから」と、
知らない息子の様子に耳を傾けておられる。

弟君も葬儀で
「僕にとっては怖い兄でした」
と、おっしゃっていた。

近しい人ほど、遠い存在だったのかもしれない。
きっと恋人にもそうだったんじゃないかな。
人間って、亡くなってから理解できることもたくさんあるわね。