ひめ日記3

日詰千栄の日々を綴ります。芝居のこと、祇園囃子のこと、京都のこと。

祈りの灯り

奉納囃子を行なう旨を各方面にお知らせしたら
「え?やるんですか?」と
「京都東山・祈りの灯り」事務局の反応。
*「花灯路」事業は行灯や奉舞などを縮小し、
哀悼の意をこめた「祈りの灯り」事業にシフトされたのです。

京都市としては、「祇園囃子はめでたいもの」という先入観があり、
今回は協賛事業として行なわないだろうと予想されていたようだ。
「粛々とした雰囲気の東山エリアで八坂神社から囃子が聴こえてきたら
”お祭り騒ぎやっとる”という印象を持たれる心配がある。
それを説得できる材料がほしい。
囃子の由来や本質を説明したものはないか?」
と聞かれた。

日詰「祇園祭は災厄退散を願う、八坂神社の祭礼。その解説じゃあかんのですか?」
担当者「囃子のイメージを鎮魂に変えられるものがほしい。
    ”祈りを込めて”では、何のイベントにでもつけられる。」
日詰「囃子とは、神様と人を結ぶものです」
担当者「それじゃ弱い」
日詰「葬儀でも囃されるんですけど・・・詳しい者に聞いておきます」
と、電話を切った。
困ったなぁ。

そうこうするうちに、
「平成女鉾清音会の奉納囃子が中止とHPに書いてあるのですが、本当ですか?」
と問合せがきた。
ち、違います!!やります!!

女鉾の知恵袋に泣きついた。
「夜遅くなるけど、いいかな?」という返事。

翌日届いた文章は、鮮やかな切り口で冷静に解説されたもの!
祭を「五穀豊穣を祈り感謝するもの」と「除災を願うもの」とに分けると、
京都の祇園祭は後者の「都市型祭礼」にあたる。
祭囃子とは言え、祇園囃子は自然や神仏への畏敬の念がこめられた、「鎮魂の囃子」でもある。
喜びの場に飾る花、悲しみの場に飾る花があるように、
囃子もその場に相応しいしつらえにすることができる。

などなど。

さすが、当会の知恵袋!(同い年だけど)
これで説明にも裏打ちができる。

囃子方代表から曲目変更も受け取った。
急いで資料を作成し、提出。
市からは「協賛行事として認められました。ブログにも掲載します」との返事。

よかった。
平成女鉾清音会の底力はやっぱりすごいぞ!