ひめ日記3

日詰千栄の日々を綴ります。芝居のこと、祇園囃子のこと、京都のこと。

ユビュ王

マレビトの会の『UBU ROI』を観に、アートコンプレックス1928へ。
アルフレッド・ジャリというフランス人による、ポーランド「ユビュ王」の話。

パンフレットに書いてあるところによると
演出の松田正隆さんは、
「演技をするのがどうにも鼻持ちならない」らしく
「上演と言う虚構に何とか抵抗したかった」らしい。

役者はぼんやりとした顔で舞台に現れ、おぼろげに台詞を発する。
時々「あれ?」とか「はぁ~」などと芝居に関係のない声がスピーカーから聞こえる。
劇場に幕やセットは一切なく、外の音もマイクで拾って会場に流している。

寝る前にベッドで小説を読んでいるような気分だった。
壮大なストーリーも追うけれど、時々気が遠くなったり、自分の考えに入ったりする。
アフタートークで、松田さんが「ポヤ~ッと観てほしい」とおっしゃっていたので、これでいいんだろう。

途中、ごまのはえ氏が膨大な台詞を言ってたけど
スピーカーから流れる声に邪魔されたり、小声になったりしてざんない感じになっていた。
台詞覚えに苦労している私には、この効果が一番キタ。
面白い。申し訳ないけど、面白い。