ひめ日記3

日詰千栄の日々を綴ります。芝居のこと、祇園囃子のこと、京都のこと。

スタバではグランデを買え!

『スタバではグランデを買え!』吉本佳生を読む。
内容は、経済学。

自動販売機で150円で売っているペットボトルのお茶が
コンビニで147円、100円ショップで105円、スーパーの特売で88円で売っている。
なぜこんなに価格差があるのか。
スーパーで88円で買えるお茶を、わざわざコンビニで買う人がたくさんいるのはなぜか。
という疑問に、

買う方の理由は「取引コスト」
買い手は「時間と労力(手間)、余分なお金の支出、他の資産の使用、心理的負担」
という、買い物の代金とは別にかかるものとの関連で
自動販売機でお茶を買う人もいるのだ、と説明する。

スターバックスの価格設定について
コーヒー1杯の原価は、コーヒー豆10g1円くらいなので、輸送・保管・焙煎仕入価は10円。
ミルクが追加されて10円。
プラス営業のコストとして、
店舗の家賃、電気・水道・ガス料金、紙コップ、人件費コストなど合わせて200円。
だから税抜き238円の日替わりコーヒーでも、利益は18円ほど。

お客さんは
コーヒーそのものを買うのではなく、むしろ、自分が飲みたいタイミングで美味しいコーヒーを淹れてもらい、雰囲気のいい店内で飲むことができるというサービスを買っている。
と取引コストも絡めて解説する。

どんな高価なコーヒーを頼んでも、100円プラスでグランデ(Wサイズ)なのは、
店としては来客数が問題で、それにまつわるサービスはほぼ同じである。
お客さんも100円プラスのみでWサイズが飲めるなら、双方に有益じゃないか。
という話。

他にも、
冷蔵庫の冷凍室が大きくなった理由と影響
コンビニの輸送コスト
家電量販店の仕入れの仕組み-卸値が安い
100円ショップの安さの秘密
イケア家具の安い理由
など(なるほど~)と、目からウロコの経済学がぎっしり。

あとがきを私なりに解釈すると、
他人と同じ好や行動パターンの人は取引コストを節約しやすい(=得しやすい)
高級なフランス料理や、デザインを凝らした時計には、原価よりも満足感にお金を払っている
ということになるようだ。
でも、個性を大切にせず、大衆と同じに合わせて節約したとしても、満足度が下がるか、自分にとっての取引コストが高くなってしまう。
「現時点の自分自身について、どんな面では大衆(平均)的な好み・能力・行動パターンを持っているのか、どんな面では少数派なのかを自覚することです。そういった意味での自己分析(自己評価)が正確であるほど、上手に生活できます。」と書いてあった。

ここに書いたからと言って、私に経済を質問するのはやめておくれよ。
私も忘れないように、ここにメモしてるんやからね。