ひめ日記3

日詰千栄の日々を綴ります。芝居のこと、祇園囃子のこと、京都のこと。

カヤの中

神田山陽さんの独演会『カヤの中』を聴きに、京都文化芸術会館へ。
カフカの客席のつもりで行ったら、
舞台上に、大きな蚊帳が。
靴を脱いで布をめくって座布団に座った。

キャンプに来たテントの中みたい。
蚊帳越しだと、照明も柔らかい。

山陽さんは最初に
「上手くやりません」と断言した。
上手に語るのは、誰でもできる。
気持ちを込めたい、と言った。
お客さんの頭の中で想像してもらって作り上げる世界だから、
「上手く伝わらなくても、僕のせいじゃありません」と笑いを取っていた。

講談というものを初めて生で聴いたけど、体当たりな芸やね。
笑いだけじゃない、時事ネタや風刺や、涙や怒りも
語りで伝える。

北海道で暮らしている事、イタリアに留学した時の事、元カノの事、
山陽さんの生き様を、2時間ちょっとでかなり知ってしまった。
そして本当に、最後の方は呂律が回らなくなっていた。

それでもカヤの中の人間として、気持ちは十分伝わりましたよ。
環境問題とか、宿題もいっぱいもらいましたよ。