朝4時。
帰宅すると、階段の上に猫がいた。
朝日を背中から浴び、スックと座る姿は神々しい。
そして私に恐怖を抱かせる。
「猫ちゃんどうちたの?寝てたの?起こしてごめんね」
必死で機嫌を取る私。
この態勢で上から飛び掛られたら、私の顔は引っかき傷だらけだ。
「ちょっと通らしてね。私の部屋、そこやねん」
しばらく話しかけていると、
猫は退屈したように横を向き、頭を前足の上に乗せた。
「ほな、ちょっと通るわね」
恐る恐る、幅50㎝の階段を猫に遠慮しながら上る。
近くで見ると、見たことのない猫だ。
こいつは毎晩、来てるのか?
数日後、部屋の外で大喧嘩する猫の声が聞こえた。
たぶんいつも見る猫と、先日の新参猫が対決しているのだろう。
次のボスは、誰かしら?
どちらにしても、私が一番、位が低いのだ。