ひめ日記3

日詰千栄の日々を綴ります。芝居のこと、祇園囃子のこと、京都のこと。

16番選手

この夏の高校野球も、盛り上がりましたな。
勝戦は延長再試合だったし。
京都代表も9回裏逆転でベスト8まで行ったし。
中でも私が2006年「ビビッたで賞」を差し上げたいのは、
帝京高校6人目の投手ですな。

彼は予選でも一回も投げた事がない、
それどころか中学以来投手をした事がなかったらしい。
それがいきなり9回裏、5万人の前で登板。
しかも9回表に逆転して大盛り上がりした後、
投手がバタバタ崩され追いつかれそうになってのピッチング。
おぉコワ。
悪夢だ。うなされそう。

稽古した事もない芝居の舞台に上がったような気持ち、やろか?
大阪城ホールで知らない曲の太鼓を急遽叩く気持ち、かな?
そんなピンチに遭遇したら、どうする?私?

結局最後は押し出し四球を与えてしまった。
16番投手の背中は何度も何度もニュースに映し出される。
は~、しょっぱいね。

でもそのうち、(どうせなら、ホームラン打たれてもストライク!!)
という図太さが生まれてくるんよ。
開き直りを学ぶのよ。
それまで、何度も夢に見るだろうけどね。
彼のその後の人生が、楽しみ、楽しみ。