ひめ日記3

日詰千栄の日々を綴ります。芝居のこと、祇園囃子のこと、京都のこと。

音楽の翻訳家

おかげさまで、無事、京都フィルハーモニー室内合奏団さんとの共演は終了しました。

客席からも念をいただき、お客様と顔を合わせて上演できることのありがたさをしみじみ実感しました。

 

2場16楽章からなる「恋は魔術師」(1915年版)は、楽譜にすると分厚く、ベラベラめくっていかなければいけません。

朗読席にはセリフだけが書かれた台本を持ち込みました。

セリフには番号をふりました。

練習では楽章と楽譜とセリフの3タイプの番号が飛び交う状態。

番号をiPadに表示してキューランプでタイミングを教えてもらいます。

教えてくれるのは、ステージマネージャーの藤川さん。

謂わば、楽譜を翻訳して伝えてくれる私の片腕です。

 

練習では順調だったのですが、いざ、コンサートホールでリハーサルをすると、「接続がありません」とiPadに表示されます。どうやらホール内に電波が入ってこない仕組みになっているみたい。

「休憩中になんとかします」と言っていただき、

袖のドアを完全に閉めない、という方法を取っていただいたのですが、

結局本番でも「接続がありません」という文字を見つめながらキューランプだけで乗り切りました。

無事に務めを果たせたのは、練習の賜物!

このこと、終演後、誰にも言えてなかったなぁ。

あっという間に解散したからね。

 

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指揮者の栁澤寿男さんと、メゾ・ソプラノの福原寿美枝さん。

赤カンデーラと黒カンデーラです。