ひめ日記3

日詰千栄の日々を綴ります。芝居のこと、祇園囃子のこと、京都のこと。

副葬品

伯母の葬儀にて。

神戸市は火葬場の都合上、最後にお別れができないとのことで、告別式が最後になる。

「さよなら」と、お花を手向ける。

伯母さんの勝負服の素敵な着物も納められた。

ふたを閉めて、さあ出棺という時、母がかばんをゴソゴソしている。

 

「数珠がなくなった」とのこと。

さっきまで腕にはめていたらしい。

 

「水晶の数珠です…。」

 

葬儀屋さんが「きっと花を供えた時に、するっと落ちたんでしょう」とおっしゃっる。

再びお棺のふたを開けて、お花をゴソゴソ。

 

ご遺体の胸の辺りに、ありました。

 

お棺を釘で打っていなくて良かった。

水晶が叔母ちゃんを追いかけて行かなくて良かった。

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