伯母の葬儀にて。
神戸市は火葬場の都合上、最後にお別れができないとのことで、告別式が最後になる。
「さよなら」と、お花を手向ける。
伯母さんの勝負服の素敵な着物も納められた。
ふたを閉めて、さあ出棺という時、母がかばんをゴソゴソしている。
「数珠がなくなった」とのこと。
さっきまで腕にはめていたらしい。
「水晶の数珠です…。」
葬儀屋さんが「きっと花を供えた時に、するっと落ちたんでしょう」とおっしゃっる。
再びお棺のふたを開けて、お花をゴソゴソ。
ご遺体の胸の辺りに、ありました。
お棺を釘で打っていなくて良かった。
水晶が叔母ちゃんを追いかけて行かなくて良かった。