劇団に入った頃、新人はダンスが必須だった。
ジャズダンスにタップダンス。
そんな関係で、稽古の時はバレエシューズを履く習慣があった。
私はチャコットの赤いバレエシューズを愛用していた。
布製のものはすぐに傷むので、全皮のものにしたら、ものすごく長持ちした。
フリーになってからも、軽くて持ち運びしやすい稽古履きは重宝した。
けれど、とうとうはきつぶしてしまった。
靴底がめくれてしまった。
新しいバレエシューズを買いにチャコットに行ったら、黒とピンクしかない。
赤い色は別注なんだって。
別注しましたよ！
世俗と稽古場の切替のおまじない。
私にとっては、赤いバレエシューズがそれなのです！
