ひめ日記3

日詰千栄の日々を綴ります。芝居のこと、祇園囃子のこと、京都のこと。

プロ野球の川本さん

川本浩司さんが5月に亡くなったと、奥様から平成女鉾に連絡があった。
川本さんは、稽古場にお借りしているビルで、管理をしてくださっていた。
「僕は、囃子の事はよう分からんけども、稽古してうまくなるのはええこっちゃ。どんどんがんばってや」
と、いつも応援してくださった。

川本さんは、元・大映プロ野球選手。
背が高く、快活でとても気持ちの良い方だった。
選手時代、キャンプで沖縄に行かれたそうだ。
返還前の沖縄で、住民が裸足で歩いているのを見て驚き、それを新聞にレポートしたら、記事がボツにされたらしい。
引退後、銀行に就職したけれど、一人だけ煙草を吸わないので、仕事がしにくかったというお話もしてくださった。

身体を悪くして管理の仕事を引退してからも、奥様と一緒に私達の練習を聴いてくださっていたらしい。
奥様が「祇園囃子を聴いていると、嬉しそうだったのよ」とおっしゃっていた。
「囃子の事は分からんけど」と言いながらも、本当に応援してくださっていたんやなぁ。

川本さんに恥ずかしくない囃子を、これからもがんばらないと。
ご冥福をお祈りします。
そしてどうぞ向こう側から、応援していてくださいね。