ひめ日記3

日詰千栄の日々を綴ります。芝居のこと、祇園囃子のこと、京都のこと。

少し白酒召されたか

子供の頃は、不思議な体験をする人が多い
という前提で、子供に取材をしているテレビ番組を見た。

小学5年生の女児。
家でお酒を飲んでいる知らないおじさんがいる、という。
変な帽子をかぶって、陽気に酔っぱらっているらしい。

その子の部屋には、開かずの扉があって、中からガサガサ音がする、とも言っていた。
取材陣が家に赴き、開かずの扉=納戸の扉を開けると、中から箱が出てきた。
中にはお雛さんが入っていた。

お雛さんの中に、酔っぱらって赤ら顔のおじさんの人形があった。
巻纓冠という、変な帽子もつけている。

サトウハチローの「ひな祭り」の歌に出てくる「少し白酒召されたか 赤いお顔の右大臣」の人形だ。
今調べてみたら、本当は近衛中将(俗称 左大臣)、内裏雛を守るSP(随身)らしい。

女の子のお母さんが子供の頃にもらったひな人形だけど
夜中にガサガサするので、お母さんも箱にしまったままだったらしい。

女の子は「怖い~」と言っていた。
取材の人たちも「なんか、ごめんね」と謝っていた。

ひな人形としては、見つけてもらってうれしかったに違いない。
宝鏡寺でも、お人形が夜な夜な歩き回る、とか聞いたことあるもんなぁ。