ひめ日記3

日詰千栄の日々を綴ります。芝居のこと、祇園囃子のこと、京都のこと。

不安を楽しめ!

鴻上尚史さんの講演「不安を楽しめ!ー教養教育がはぐくむ社会認識の方法ー」を聴きに京都府立大学へ。
三大学教養教育共同化フォーラム主催。

教育とは
「僕らはここまでの結論だけど、ひょったしたら君らは先に行けるかもしれないぜ」
ということを教える場である。
これまでのやり方、歴史を提示して情報を与える。
すると「日本伝統の結婚制度」と発言する政治家に
「ん?そうかな?夫が働いて妻が家庭にいるなんて、明治以降たかだか100年の考え方じゃないかな?」
と、鼻で笑えるようになる。
より自由に物事をとらえるために学ぶのである。

という内容だった。

「みんな仲良し」とか「友達100人」などと、1つの見解にしがみつくことは発達の限界を決めることとなる。
いくつかの考え方を提示する方が望ましい。

昔は「演劇」は”虚業”と言われたけれど、最近では「金融」だって”虚業”である。
「空気」は流動化する。
クリアにモノが見えているのはおかしい。
なぜ不安なのか考えてみよう。
「考えること」と「悩むこと」は違うのだから。
3時間考えたらとりあえずやってみよう。

政治や演劇や恋愛を絡ませながら中身の濃い2時間だった。

「世間」「社会」「空気」があるとすると
日本人は「世間」で暮らしている。
世間には自分にとっての利害関係が生じる世界。
「社会」は基本的に関係ないので
社会的な空間で化粧をしたり、席を譲らなかったりする。

という話も聴いた。

演劇は「私とあなたがどれくらい違うか」というコミュニケーションを学ぶために大切なことなんだと自信を持った。
違いが分かれば歩み寄る範囲も分かる。
考え方の癖を捨てて、表現してみよう!