ひめ日記3

日詰千栄の日々を綴ります。芝居のこと、祇園囃子のこと、京都のこと。

不可能を可能にするクマンバチ

暑いので窓を開けているとブンブンと羽音が聴こえる。
大きい音だと思ったら、蜂だ。
ガッツンガッツン窓にぶつかっている。

あまりにうるさいので仕事を中断。
箒を持って開いている窓に誘導。
でも必死な蜂は、どんどん閉め切り窓の方へ。

上司が「必死になりすぎると視野が狭くなって、解決法が見えなくなるのと同じやなぁ」と哲学的なつぶやき。

箒で追いかけていると、首回りがフサフサしているのに気が付いた。
―これ、女王蜂じゃないですか?

まずはこの蜂が危険じゃないか調べねば。

上司がネットを見ながら
「う~ん。これはクマンバチみたいやな。
毒針を持つのはメスのみや。」

―メスはどうやって見分けられるんですか?

「"メスは顔全体が黒く、複眼は切れ長。額は広く、顎も大きい"って。目が切れ長か?」

―毒蜂かもしれないのに、そんなに近づけません。

「ええ話も書いてあるで。クマバチは”航空力学的に、飛べるはずのない形なのに飛べている”とされて、”不可能を可能にする”象徴とされ、しばしば会社やスポーツチームのシンボルマークとして使われるらしい」

どうやらメスっぽい蜂を相手に
こちらは、そんな知恵袋的小話を聞く状況ではない。
バッタンバッタンしているうちに弱って低空飛行になった蜂を
刺激しないよう、箒でそうっと押し出した。
窓の外へブ~ン。ホッ。

―情報、ありがとうございました。
「いやいや。チャチャを入れるだけで何もせんと、すまなんだなぁハハハ。」

蜂の後姿を見ながら、(あの体型で飛べるのは確かに不思議やな)と思いました。