ひめ日記3

日詰千栄の日々を綴ります。芝居のこと、祇園囃子のこと、京都のこと。

人は死んだらどうなるか

朗読アカデミー講座第7回。

卒業公演の題材は『100万回生きたねこ』と『葉っぱのフレディ』
2つは生死を扱った作品。

100万回生きたねこ』は
100万回生死を繰り返し、様々な飼い主を悲しませた猫が
ついに野良として生まれ、自分が本当に失いたくないものを知って
永遠に死んだ猫の話。

『葉っぱのフレディ』は
春に芽生えたダニエルが冬を迎え、近づく死を恐れた時
友人のダニエルのアドバイス
生死は巡ることを納得して散っていく話。

私も父を亡くした時、『人は死んだらどうなるのか』と考えた。
最新設備が整った焼き場の煙突からは、煙さえ出ない。

ある人は「色即是空」の「空」になる、と教えてくれた。

そう思っていた時期もあるけど
今、私は生き物が死んだら「星」になると思っている。
それは宇宙の星ではなくて、この星。

塵芥となって舞っている肉体や思いは
今日みたいな雨と共に地面に落ちて、砂になって蟻に運ばれて
植物の栄養になって
地球をグルグルと巡るんじゃないかな。

受講生の方々は50歳以上なので、
よっぽど死についても考えていらっしゃるだろうけど
回りに病気が近いせいか
読んでいるうちにどうしても暗くなる。

『100万回~』の作者の佐野洋子さんは「死」についてドライだし
『葉っぱ~』のバスカーリアさんは「死」を恐れるものではないと
言っている。

その辺を実感してもらわないと、
湿っぽい方に引っ張られがちな、
危ない作品ではあります。